2025/12/04 08:29

※画像はイメージです

りらの木の価格について — つくるということの厚み

オンラインショップをご覧いただき、ありがとうございます。

作品をご覧になったとき、
「どうしてこの価格なのだろう?」と思われる方が
きっといらっしゃると思います。

りらの木の作品は、
“高級感” を演出するための価格ではありません。
むしろその逆で、
素材を選び、判断し、手をかけ、生まれるまでに積み重なる密度
その写し鏡のように価格が決まっています。

ここでは少し、その背景をお話しさせてください。


1. 素材を「買う」前に、まずは“選ぶ”。この順番の違い

多くの小売の形は、
仕入れ → 並べる → 売る、という流れで成り立っています。
この仕組みが日常の中であまりにも普通になっているため、
“作品をつくる” という行為の濃さに
気づきにくくなっているのかもしれません。

りらの木では、その順序がまったく逆になります。

  • 作品の方向性を考える

  • どの素材が呼吸を合わせてくれるかを探す

  • そのために必要なものだけを買いに行く

つまり、“つくるために素材を仕入れる” のです。

ここには偶然の余り物は入ってきません。
「たまたま安かったから」もありません。
ひとつの作品のためだけに選ばれた素材たちが
最初から最後まで関わります。


2. 手を動かす前の時間に、一番の密度が宿る

花を組む、オブジェを仕立てる、その動きよりも
実はもっと長く、深い時間があります。

  • 素材の癖がどこへ向こうとしているか

  • 空間に置いたときの“静けさ”の量

  • 光の角度で表情が変わるかどうか

  • バランスをあえて崩すことで生まれる美

  • その人らしさの温度(Bespoke の場合)

この「判断の時間」は、
完成した作品には見えないものですが、
確かにその佇まいに刻まれています。

りらの木では、この見えない工程を大切にしています。


3. 人件費は“作業時間”だけではありません

一般的に価格を語るとき、
原価と作業時間が中心に扱われがちです。

しかし実際には——

  • 仕入れの移動

  • 素材探し

  • 試作・実験

  • 撮影

  • 梱包

  • 発送準備

  • オーダーのヒアリング(実店舗の場合)

作品が生まれるまでの周囲には、
たくさんの静かな時間の層があります。

りらの木の価格には、
この“見えない厚み”が含まれています。


4. 大量生産ではなく“一点に深く入る”という姿勢

Ready-Made-One であっても、
同じものを何十個も作ることはありません。

効率よりも、一点を濃く仕立てる こと。
量よりも密度を選ぶこと。
その姿勢がりらの木の作品に
「手触りのような個性」を与えています。

大量生産に慣れた日常の中では
意識されることの少ない価値ですが、
一点ものだからこそ宿る深さがあります。


— 作るということに、人は慣れていないだけかもしれません。

ほとんどの生活用品が工場で大量生産される時代、
“ひとりの手から生まれた一つのもの” が持つ密度を
日頃から意識することはあまりありません。

だからこそ、
りらの木の作品を見たときに
「そういえば、全部同じじゃないんだ」
と静かに気づいてもらえたら嬉しいのです。

仕入れて置くのではなく、
つくるために素材を選び、
判断し、
仕立てる。

そのプロセスが、価格の理由であり、
りらの木の世界観そのものでもあります。

オンラインショップでも実店舗でも、
その哲学は変わりません。


価格は、作品に向けた“時間と判断の密度”の写し鏡です。

画面越しでも、その厚みが少しでも伝わりますように。
そして、手に取る前から始まっている
りらの木の作品の旅路を、
どうぞゆっくりと感じていただければ幸いです。


りらの木